輸液の基本3

こんにちは。前回のページで低張電解質輸液等張電解質輸液の違いを解説しました。

ここからは、前回勉強したその違いが臨床上どのような意味を持つのか、それぞれの用途目的から解説していきます。

まずは全体図

暗記する必要はありません。といいたいですが、これくらいは空で言えたほうがいいです。

さて、新しい言葉が出てきました。

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『細胞外補充液』『維持液』とは…?

電解質輸液の目的別分類にあたる言葉です。

等張電解質輸液=細胞外補充液
低張電解質輸液=維持液 

でほぼ間違いありません。

細胞外補充液(等張電解質輸液)は、細胞外液補充します。そのまんまです。生理食塩水が最もシンプルなそれに該当します。生理食塩水よりもより細胞外液成分に近づけた(Ca2⁺、K⁺、アルカリ化剤の添加等…)リンゲル液も多用されます。

維持液(低張電解質輸液)には1~4号輸液があります。1号液は開始液2号液は脱水補給液3号液は維持液4号液が術後回復液と呼ばれます。このうち臨床で見かけるのは1号液と3号液がほとんどな気がします。。。 何度も言いますが、これら低張電解質輸液は電解質濃度は細胞外液より低いですが、その分ブドウ糖が添加されていますので、浸透圧としては等張~それ以上です。

では、どちらの輸液を使用すればいいのか。使い分けはどのように行うのか。

ここで考えるべきポイントは

体のどのセクション(区分)から水分が失われているのか

体液区分の図と組み合わせることでそれぞれの投与時の水の動きを可視化します。

等張電解質輸液が用いられる場合…

細胞外液が失われるた状態、出血や嘔吐下痢など、ある程度急激に体液が失われた場合細胞外液補充液を投与します。細胞外液補充液、つまり等張電解質輸液を投与すると、細胞外液が増加します。増加した細胞外液と細胞内液との浸透圧は等張なのでいくら投与しても細胞内への移動は起こらず細胞外液のみの補充が可能。細胞外液補充液の理想は血漿成分

低張電解質輸液が用いられる場合…

熱中症など体の中から徐々に水分が失われる状態の場合。細胞の中の水分も失われている状態のとき。この場合、細胞外液のみならず細胞内液も失われているため、低張電解質輸液で両方のセクションに水分補充が必要。細胞外区部に補充された低張電解質輸液は、ぶどう糖が速やかに代謝され浸透圧が低張となる低張電解質輸液を補充することで細胞外液が増加&浸透圧低下。細胞外液が低張になることで、細胞内液と細胞外液の間に浸透圧差が生じ細胞内へ水の移行が起こる。これにより体全体に水分を補充することが可能。俗に維持液類と呼ばれる。Exソルデム~、ソリタ~、

維持液、1~4号液とは…?

ブドウ糖液の比率が上がるごとに1,2,3,4号液と分類されている。

Na:ブドウ糖液

 1号液 開始液、Kフリー 病態がわからなくてもとりあえずぶら下げられる。

 2号液 脱水補充液

 3号液 維持液の中の維持液 3号液2000mlで1日分のNa、Cl、K を補える

 4号液 術後回復液

また、細胞内液だけを補充できる輸液はありません。

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