実習生と新人薬剤師はここをおさえておけ
薬剤師国家試験ではあまり深く触れられていない『輸液』
新人病院薬剤師が知っておくべき輸液の『いろは』の『い』くらいを解説します。
なお、もっと詳しく勉強されたい方へのおすすめは
輸液の雄、大塚製薬
大塚さんのHPにて、輸液の歴史から、輸液の基礎知識、栄養などなど、解説されています。
僕自身もこの大塚さんのホームページで勉強しました。
輸液の目的…
輸液の3大目的は『体液管理』『栄養補給』『薬剤投与経路』に大別されます。
体液管理…各種疾病や外科手術などによる体液異常の是正、経口摂取不十分な場合の水・電解質の維持のために。
栄養補給…経管栄養を含めて、消化管の使用できない場合、周術期の絶食時や食欲不振などで十分な栄養を摂取できない場合に栄養素を経静脈的に投与することが出来る。
薬剤投与経路…薬剤を経静脈的にに投与する場合のルート保持として
体液管理のはなし
体液管理を解説するうえで避けては通れないのが、『浸透圧』と『体液区部』の知識
浸透圧、は中学校の理科でやる、あれです。半透膜を介して濃い塩水のほうに水が移動する物理法則。いわば『宇宙の真理』です。『宇宙の真理』は人間の体の中にも適用されます。そして『宇宙の真理』ですので、詳しい解説は省略します。
体液区分
通常健常成人男性の水分量は体重のおよそ60%、
こんぶ(BW:55㎏)の6割、33㎏は水分となります。その33㎏の分布が、以下の図、
細胞質…40% 組織間液…15% 血液…5%
血管壁はBBAなどの例外を除けば基本ガバガバですので、タンパク質などの大きな分子を除けば自由に移動が可能です。
細胞壁は、ここでは半透膜と考えて差し支えないです。水分子でさえ、『宇宙の真理』浸透圧の力を借りなければ移動はできません。
体液管理の目的のひとつはこの60%のバランスを維持することにあります。
そしてそれを容易に考えるための最も簡略化したモデルが、こちら
青本にも載っている水槽の図です。
今日はここまで!